[2005年文献] 脳梗塞の初発後10年の再発率は,くも膜下出血の再発率より有意に低い

日本人一般住民を対象とした前向きコホート研究において,脳卒中の初発後10年の累積再発率を病型別に検討した。32年間の追跡の結果,脳卒中の再発率の推移は病型ごとに異なるパターンを示し,脳梗塞では経過年数とともに一定の割合で再発率が増加する傾向がみられた。脳梗塞の初発後10年の再発率は,くも膜下出血の再発率より有意に低かった。また,この研究における脳卒中の再発率は,欧米にくらべて高かった。

Hata J, et al: Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study.J Neurol Neurosurg Psychiatry 2005; 76: 368-72.pubmed

コホート
1961年から32年間追跡した40歳以上の1621人のうち,脳卒中を初発した410人(10年間)。
うち男性は200人,女性は210人。
剖検率81.0 %,追跡率99.5 %。
結 果
10年間で108人(26 %)が脳卒中を再発。
脳卒中の累積再発率は,1年間で12.8 %,5年間で35.3 %,10年間で51.3 %。
10年間の累積再発率は,くも膜下出血を初発した人で70.0 %,脳出血で55.6 %,脳梗塞で49.7 %。くも膜下出血では脳梗塞に比べて有意に高かった(P=0.004,相対危険度=2.89)。
脳卒中の累積再発率
1年 5年 10年
脳梗塞 10.0 34.1 49.7
脳出血 25.6 34.9 55.6
くも膜下出血 32.5 55.0 70.0

脳梗塞の再発数は経過年数とともに増加したが,脳出血では初発後1年以内に58.3 %が,くも膜下出血では初発後3か月以内に66.7 %が再発した。

心原性脳梗塞の再発率は75.2 %で,ラクナ梗塞(46.8 %)に比べ有意に高かった(P=0.049,相対危険度=1.76)。
ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞では,10年間の累積再発率は年齢とともに高くなったが,他の病型では再発率と年齢の相関は見られなかった。
脳梗塞の病型別累積再発率
1年 5年 10年
脳梗塞 ラクナ梗塞 7.2 30.4 46.8
アテローム血栓性 14.8 42.0 46.9
心原性 19.6 42.2 75.2


◇ 結論
日本人一般住民を対象とした前向きコホート研究において,脳卒中の初発後10年の累積再発率を病型別に検討した。32年間の追跡の結果,脳卒中の再発率の推移は病型ごとに異なるパターンを示し,脳梗塞では経過年数とともに一定の割合で再発率が増加する傾向がみられた。脳梗塞の初発後10年の再発率は,くも膜下出血の再発率より有意に低かった。また,この研究における脳卒中の再発率は,欧米にくらべて高かった。


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