1.アメリカ社会に与えた影響

アメリカ社会に与えた影響
 
フラミンガム心臓研究により心血管病のリスクファクターが特定され,その後多くの臨床試験を経て,リスクファクターを改善すれば心血管病を予防できることがわかった。米国政府は国民の心血管病を予防するために,国立心肺血液研究所(NIH)による高血圧教育プログラムコレステロール教育プログラムを実施した結果,1970年から1990年の20年間で冠動脈疾患による死亡率がほぼ半分に低下した(図1)1,2)。 今日,高血圧,高コレステロール血症,喫煙,脂肪分の多い食事,運動不足などが心血管病につながるリスクファクターであることは,公衆衛生の基本として知られているが,50年以上前には,心臓発作や脳卒中は加齢とともに避けられないものと考えられていた。それがフラミンガム研究におけるリスクファクターの発見により心血管病の予防が可能となり,米国だけでも何百万人もの命が救われてきた。この発見の成果は,今では世界中にもたらされている。
図1 米国における冠動脈疾患死亡率の変化 2)
米国健康統計センターの「米国の動態統計」データに基づき,米国心肺血液研究所が作成。
 
REFERENCES
1) 嶋康晃. 世界の心臓を救った町―フラミンガム研究の55年. ライフサイエンス出版. 2004
2) 高血圧の予防,発見,診断,治療に関する米国合同委員会の第6次報告(JNC VI). Ther Res. 1997; 18: 3684-742.

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