2.コホート研究の開始

コホート研究の開始
 
1930年代以降,米国の国民病として急浮上してきた心血管病。その原因を探るために,1948年ボストン郊外のフラミンガム町で始まった前向きコホート研究がフラミンガム研究である。1971年には初代参加者の子供とその配偶者を対象としたオフスプリング・スタディ,1994年には少数民族を対象としたオムニ・スタディ,2005年には初代参加者の孫である第3世代スタディがそれぞれ開始された。その後,栄養,骨粗鬆症,小児などに関する新しいフラミンガム研究も加わったことから,開始当初の研究は「フラミンガム心臓研究」と呼んで区別されている1)

フラミンガム研究の主なコホート2)
オリジナル・コホート 1948年〜 対象は,1948年当時マサチューセッツ州フラミンガム町で無作為に選ばれ参加に同意した30〜62歳の住民5209例。2005年5月30日時点で生存者は472例。 2005年12月から28回目の検査が行われた。
オフスプリング・コホート 1971年〜 対象は,オリジナル・コホート参加者の子供5124例(10歳未満〜70歳)。1971年より研究が開始され,2005年4月には8回目の検査が開始された。
第3世代コホート 2005年〜 対象は,オフスプリング・コホート参加者の子供のうち,研究参加に同意した4095例(19〜79歳)。2005年6月に第1回目の検査が行われた。
オムニ・コホート 1994年〜 フラミンガム町の住民構成の変化に伴い,1994年より少数民族コホート研究が開始された。対象は,フラミンガム町の住民であるアフリカ系アメリカ人,ラテン・アメリカ系アメリカ人,アジア人,インド人,太平洋諸島系,先住アメリカ人の506例(27〜78歳)。 2004年12月31日時点で生存者は488例。
オムニ第2世代コホート   対象は,オムニ・コホート参加者の子供,およびオムニ・コホート参加者とは関係がないが研究参加に同意する少数民族出身の住民。2003年時点の登録者数は70例,目標は350例以上。

REFERENCES
1) 嶋康晃. 世界の心臓を救った町―フラミンガム研究の55年. ライフサイエンス出版. 2004
2) http://www.framinghamheartstudy.org/offspringcohort.asp

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