[2004年文献] 血中総グルタチオンと心血管疾患リスクは逆相関した
Shimizu H, et al: Relationship between plasma glutathione levels and cardiovascular disease in a defined population: the Hisayama study.Stroke 2004; 35: 2072-7.
- コホート
- 1996年6~10月,心血管疾患既往176人から,障害が非常に重い,あるいは既往脳卒中の病型が不明な42人を除いた134人(男性69人,女性65人)(症例対照研究)。
- 結 果
- 心血管疾患(CVD)既往例の内訳は,脳梗塞75人,脳出血28人,くも膜下出血14人,心筋梗塞21人,脳・心筋梗塞の同時発症が4人。
対照群(脳卒中および心筋梗塞の既往のない健康な男女435人)に比べ,CVD群で有意に高い値を示したのは年齢,収縮期血圧,高血圧,糖尿病,ビタミンB12,総ホモシステイン。
対照群に比べ,CVD群で有意に低い値を示したのは男性の割合,BMI,総コレステロール,総蛋白質,ビタミンB6,飲酒。
CVD群のグルタチオン値は,すべての病型で,対照群に比べ低い傾向にあった。
脳梗塞と脳出血では,それぞれ対照群と有意差あり。
血中総グルタチオンと心血管疾患発症率
|
| 血中総グルタチオン (micromol/L)
| P
|
| CVD群
| 対照群
|
| 心血管疾患 |
3.06 |
3.71 |
0.0001 |
| 脳梗塞 |
2.98 |
3.59 |
0.001 |
| 脳出血 |
2.51 |
3.43 |
0.0027 |
| くも膜下出血 |
3.45 |
3.83 |
0.36 |
| 心筋梗塞 |
3.65 |
3.77 |
0.69 |
全対象で,グルタチオン値四分位ごとに種々の因子の平均値や保有率を比較したところ,グルタチオン値と正の相関を示したのは,総コレステロール。
グルタチオン値と負の相関を示したのは,年齢,血圧,糖尿病,飲酒。
グルタチオン値と相関がなかったのは,高血圧,葉酸,ビタミンB12,総ホモシステイン,喫煙。
条件付きロジスティック回帰分析によると,CVDのリスクは,グルタチオンと有意に逆相関した。
脳梗塞および脳出血でも,グルタチオンと発症リスクは逆相関する傾向があったが,くも膜下出血および心筋梗塞ではそうした傾向は見られなかった。
心血管疾患発症のオッズ比
|
| 血中総グルタチオン値四分位 (micromol/L)
| P
|
| <2.53
| 2.53-3.41
| 3.41-4.4
| >4.4
|
| 心血管疾患 |
1.0 |
0.57 (0.31-1.05) |
0.41 (0.21-0.77) |
0.25 (0.12-0.51) |
0.0001 |
| 脳梗塞 |
1.0 |
0.55 (0.24-1.25) |
0.29 (0.12-0.69) |
0.19 (0.07-0.52) |
0.0002 |
| 脳出血 |
1.0 |
0.37 (0.10-1.30) |
0.05 (0.01-0.58) |
0.37 (0.08-1.69) |
0.06 |
| くも膜下出血 |
1.0 |
0.97 (0.14-6.88) |
1.26 (0.29-5.55) |
0.69 (0.13-3.82) |
0.77 |
| 心筋梗塞 |
1.0 |
3.51 (0.60-20.5) |
2.39 (0.43-13.4) |
0.43 (0.04-4.09) |
0.40 |
多変量補正後オッズ比 (95%信頼区間)
同様に,ラクナ梗塞の発症リスクは,グルタチオンと有意に逆相関した。
アテローム血栓性脳梗塞,および心原性脳梗塞でも,グルタチオンと発症リスクは逆相関する傾向があったが,有意ではなかった。
以上のように,症例対照研究において,血中総グルタチオンは心血管疾患リスクと逆相関を示し,とくに脳の細小動脈疾患(ラクナ梗塞,脳出血)について顕著であった。この結果から,血中総グルタチオンが心血管疾患の危険因子である可能性が示唆される。
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