数少ない「都市型疫学研究」
場所 大阪府吹田市
大阪府吹田市地図
対象 住民台帳から無作為抽出され,基本健診を受診した30~79歳の男女。
第1次コホート: 1989年に抽出された6485人
第2次コホート: 1996~1997年に抽出された1329人
開始年 1989年
調査項目 身長,体重,血圧,総コレステロール,HDL-C,トリグリセリド,HbA1c,空腹時血糖および負荷後2時間血糖(75 g経口ブドウ糖負荷試験による),頸動脈内膜-中膜肥厚度,総頸動脈内径 / 外径(超音波検査による),喫煙,飲酒,食事,身体活動,ストレス,既往歴,疾患家族歴,服薬状況など
参考 医学のあゆみ. 2008; 224: 127-131.
Stroke. 1997; 28: 518-25.pubmed
「脳卒中ナビゲーター」 小林祥泰監修,メディカルレビュー社(2002).
生物試料分析. 2000; 23: 17.
 吹田研究は,都市部住民のランダムサンプルを対象としたわが国で唯一の疫学研究。健診で得られた結果と心血管疾患リスクとの関連を明らかにし,日本人の健康維持および増進のための基礎資料を得ることを目的としている。

 国内の循環器疫学研究には,農村部の一般住民を対象としたものが多い。しかし,日本の人口のうち約66 %は都市部に住んでいるとされ,都市部の一般住民についても心血管疾患の危険因子や発症率の実態を把握することが肝要となっている。

 国立循環器病センターと吹田市医師会により研究が開始されたのは1989年(平成元年)で,住民台帳から無作為抽出され,さらに国立循環器病センターの基本健診を受診した人が対象となった。対象者は1989年に抽出された第1次コホート(6485人),および1996年に抽出された第2次コホート(1329人),およびボランティア集団(546人)からなり,現在は第1次コホートについて,隔年の健診による追跡が行われている。

 頸動脈超音波検査による無症候性動脈硬化病変や75 g経口ブドウ糖負荷試験による代謝性疾患の検討も行われており,これまでに無症候性動脈硬化の頻度,頸動脈内膜-中膜肥厚度(IMT)に関連する因子,および正常高値血圧・メタボリックシンドローム・糖尿病と心血管疾患との関連などの成果が報告された。

 また,吹田研究の一環として遺伝子の解析研究や循環器疾患の発症登録研究も行われている。日本人は欧米人にくらべて脳卒中が多く冠動脈疾患が少ないことで知られるが,この発症登録研究の結果から,吹田における脳卒中/心筋梗塞発症率比は国内でもっとも低いレベルにあることがわかった。都市部の一般住民で,心血管疾患発症の欧米化が進んでいる可能性を示唆する結果である。



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