ハワイに在住する日系人男性において,複数の危険因子と冠動脈心疾患(CHD)および脳卒中との関連を検討し,生活習慣の欧米化により疾病構造も欧米化することを示した。
場所 ハワイのオアフ島
(8つの島からなるハワイ諸島の中で3番目に大きな島で,ハワイ州の州都ホノルルがある)
ハワイ地図
開始年 1965年
対象 1885~1924年,主に本州,九州から多くの日本人がハワイに移住した。その移民のうち第二次世界大戦の軍人登録されていた男性から抽出した。
1900~1919年生まれ,1965年の時点でオアフ島に在住していた45~68歳の日系人男性でCHDを有していない7705人。
■ベースライン時背景: 年齢:45~49歳1777人;50~54歳2702人;55~59歳1532人;60~64歳1267人;65~68歳427人,血圧130.7/82.0mmHg,≧160/95mmHg以上の高血圧16.7%,総コレステロール219.4mg/mL,≧260mg/mLの高コレステロール血症13.4%,喫煙例46.4%:1箱/日以下27.2%;>1箱/日19.2%。
検査項目 ベースライン時の検査は1965~1968年に実施。
人口統計学,ライフスタイル,社会文化的および医療情報の聞き取りに,標準的質問票を使用した。平均血圧は3回の測定から求め,12誘導心電図,努力性肺活量,BMI,飲酒量(月ごとの総エタノール[mL]),身体活動,50gOGTT,総コレステロール・トリグリセリド・尿酸・血糖・ヘマトクリット(血清を冷凍しサンフランシスコにあるPublic Health Service Heart Disease Control Program研究室に輸送し測定した)。
参考 Am J Epidemiol. 1984; 119: 653-66.pubmed

心血管には環境因子による影響が遺伝的因子によるものを凌ぐことを示した。
環境因子が疾病構造に与える影響を浮き彫りにしたホノルル心臓研究から,日本本土の疾病構造の近未来像をうかがうことができる。



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