[1994年文献] 肥満の有無に関わらず,高インスリン血症は高血圧の有意で独立した危険因子

日本人一般住民を対象としたコホート研究における断面解析により,高インスリン血症と血圧との関連,ならびに高血圧罹患率について,肥満および降圧治療の有無も考慮して検討した。その結果,高インスリン血症は,肥満とは独立して,高血圧と関連していた。これは,インスリン抵抗性は血圧の重要な決定因子であるという仮説を支持するものである。

Ohmori S, et al: Hyperinsulinaemia and blood pressure in a general Japanese population: the Hisayama Study.J Hypertens 1994; 12: 1191-7.pubmed

コホート
40-79歳の2480例(1988年)。
結 果
高血圧の有病率は男性26%,女性21%。
高血圧群で降圧薬治療を受けていたのは男性56%,女性69%。
高血圧群で正常群に比べて有意に高い値を示したのは,収縮期血圧,拡張期血圧,BMI,空腹時インスリン,食後2時間のインスリン,空腹時+食後2時間のインスリン合計,空腹時血糖(P<0.01)。有意差がなかったのは,総コレステロール,喫煙(フィッシャーの最小有意差検定による)。
降圧薬服用群で非服用群に比べ有意に低い値を示したのは,収縮期血圧および拡張期血圧。有意差がなかったのは,BMI,血中インスリン,および空腹時血糖。

降圧薬服用群を除外した上で,単変量解析により種々の因子と高血圧との相関を調べた結果,男女共に,空腹時インスリン,食後2時間のインスリンおよび空腹時+食後2時間のインスリン合計は,すべて収縮期および拡張期血圧と有意に相関した。
なお,以降この論文では,最もよい相関が見られた空腹時+食後2時間のインスリン合計を高インスリン血症の指標として用いる。
段階的重回帰分析により他の因子を同時制御しても,高インスリン血症指標およびBMIと血圧の相関は変わらず。
段階的重回帰分析によると,総コレステロールおよび高血圧家族歴については,血圧との有意な相関なし。

肥満群(BMI25kg/m2以上)および正常群(25 kg/m2未満)の両方で,高血圧の有病率は高インスリン血症指標と有意に相関した。
肥満群では,降圧薬非服用例の割合が高インスリン血症指標と有意に相関した。
段階的重回帰分析によると,肥満群でも正常群でも,高インスリン血症指標は,高血圧における有意で独立した危険因子(降圧薬服用例を除外後も,この相関は変わらず)。


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