[1987年文献] 脳卒中発作後に重度の後遺症をのこした例の92%が脳梗塞由来,8%が脳出血由来だった

Ueda K, et al: Severe disability related to cerebral stroke: incidence and risk factors observed in a Japanese community, Hisayama.J Am Geriatr Soc 1987; 35: 616-22.pubmed

コホート
40歳以上の1658例のうち,脳卒中既往のある25例,死亡・転居12例を除いた1621例(1961~1981年,20年間)。
追跡率99.7%,剖検率82.4%。
結 果
着替えができない・自力排泄ができない・介護なしでは食事ができない・車椅子利用,のいずれかの基準を満たすものを,重度の後遺症ありとした。
脳梗塞を発症したのは185例(73%),脳出血は41例(16%),くも膜下出血は18例(7%),病型不明が11例(4%)。
男女とも,脳卒中の発症率は年齢とともに増加した。重度の後遺症も,同様の傾向を示した。
脳卒中例における重度の後遺症の発症率は,70歳まで,年齢とともに増加した。
60歳以上の年齢層では,脳卒中例で後遺症を起こす率は女性のほうが高かったが,脳卒中の発症率は男性のほうが高かった。
脳卒中発症の男女比は1.5対1,重度の後遺症では1.3対1だった。


脳梗塞の185例中68例(36.8%),および脳出血の41例中6例(14.6%)が重度の後遺症を発症した。すなわち,重度の後遺症を発症した74例中,92%が脳梗塞由来の後遺症であった。くも膜下出血例では重度の後遺症の発症はなかった。
脳卒中の病型と重度の後遺症の発症率
男性 (%) 女性 (%) 計 (%)
脳出血 16.1 10.0 14.6
脳梗塞 32.3 41.9 36.8
くも膜下出血 0 0 0

再発脳卒中は,初発脳卒中に比べて重度な後遺症の発症率が有意に高かった(P<0.01)。
発作時に自宅にいた例と病院等の施設にいた例では,重度な後遺症の発症率に有意差なし。
発作後の機能回復が全く見られなかったのは,初発脳卒中の30%,再発脳卒中の47%。
機能回復が最も多く見られたのは,発作後1か月以内。
機能回復を抑制する因子と考えられるのは,四肢麻痺/筋拘縮,膀胱失禁,知的/精神障害。
ロジスティック回帰分析によると,重度の後遺症の危険因子は高血圧,眼底変化,糖尿病。また,BMIと重度の後遺症は逆相関を示した。


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