[1985年文献] 中学生時の血圧は,成人時の血圧の有意な予測因子

日本の14~15歳の中学3年生を対象とした前向きコホート研究において,5年間にわたる血圧変化,ならびに5年後の血圧と身体測定値との関連を検討した。その結果,中学生時の血圧は,20歳時(5年後)の血圧の有意な予測因子であった。また,中学生時の身長,体重やBMIが大きいと5年後の血圧が高いという傾向もみとめられた。若齢であっても,血圧やBMIが高めである場合には引き続き血圧に注意する必要があると考えられる。

Wada J, et al: Blood pressure tracking in Japanese adolescents. Five-year follow-up in Hisayama, Japan. Jpn Heart J 1985; 26: 943-53.pubmed

コホート
14~15歳の中学3年生434人(男性232人,女性202人)が1974~77年にベースライン時健診を受け,うち280人(男性134人,女性146人)について5年後(19~20歳時)の追跡データを得た。
健診により,身長,体重,脈拍,収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP)を記録した。
結 果
ベースライン時,男女間で有意な血圧差はなかった。
また,男女とも,5年間で身長,体重,SBP,DBPが有意に増加した。増加の幅は,いずれも男性のほうが女性よりも大きかった。
ベースライン時と5年後(追跡時)のSBP,DBP,身長,体重,BMIの平均は,それぞれ以下のとおり(それぞれ男性,女性の値)。
ベースライン時: [SBP] 113.6 mmHg,112.7 mmHg, [DBP] 61.3 mmHg,64.3 mmHg, [身長] 1.63 m,1.55 m, [体重] 52.0 kg,49.8 kg, [BMI] 19.5 kg/m2,20.7 kg/m2
5年後: [SBP] 130.8 mmHg,117.9 mmHg, [DBP] 73.3 mmHg,72.7 mmHg, [身長] 1.69 m,1.56 m, [体重] 60.1 kg,50.9 kg, [BMI] 21.0 kg/m2,20.9 kg/m2

ピアソン相関分析によると,5年後(追跡時)の血圧と有意に相関していた因子は,ベースライン時の血圧(SBP,DBPともP<0.01),ベースライン時のBMI(男性のSBPのみ,P<0.05),5年後のBMI(SBPのみ,男性でP<0.01,女性でP<0.05),ベースライン時の体重(男性のみ,SBP,DBPともP<0.05),5年後の体重(SBPでP<0.01,DBPでP<0.05),ベースライン時の身長(女性のみ,SBPでP<0.05),5年後の身長(女性のみ,SBPでP<0.05)。

逐次回帰分析による5年後(追跡時)のSBPの有意な予測因子は,ベースライン時のSBP,およびΔBMI(5年間のBMIの増加幅)で,5年後のDBPの有意な予測因子は,ベースライン時のDBP,ΔBMI(女性のみ),ベースライン時の身長(男性のみ)だった。

◇ 結論
日本の14~15歳の中学3年生を対象とした前向きコホート研究において,5年間にわたる血圧変化,ならびに5年後の血圧と身体測定値との関連を検討した。その結果,中学生時の血圧は,20歳時(5年後)の血圧の有意な予測因子であった。また,中学生時の身長,体重やBMIが大きいと5年後の血圧が高いという傾向もみとめられた。若齢であっても,血圧やBMIが高めである場合には引き続き血圧に注意する必要があると考えられる。


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