[2007年文献] 高血圧は心血管疾患の危険因子

平均年齢が約60歳のコホートにおける検討の結果,血圧が高いほうが心血管疾患の発症率が高いことがわかった。

Obara F, et al. Influence of hypertension on the incidence of cardiovascular disease in two rural communities in Japan: the Tanno-Soubetsu study. Hypertens Res. 2007; 30: 677-82.pubmed

コホート
1991~1992年の健診を受けた住民2136人(心血管疾患既往なし)のうち,降圧治療中の338人を除いた1798人(男性806人,女性992人)を1999年まで追跡。
平均年齢は男性59.5歳,女性57.8歳。65歳以上は男性277人,女性304人。

血圧ごとに,対象者を以下の6カテゴリーに分類した(WHO/ISHガイドラインに基づく)。
   至適血圧(628人): 収縮期血圧(SBP)120 mmHg未満かつ拡張期血圧(DBP)80 mmHg未満
   正常血圧(403人): SBP 120~130 mmHg,DBP 80~85 mmHg
   正常高値血圧(323人): SBP 130~140 mmHg,DBP 85~90 mmHg
   グレード1高血圧(334人): SBP 140~160 mmHg,DBP 90~100 mmHg
   グレード2高血圧(98人): SBP 160~180 mmHg,DBP 100~110 mmHg
   グレード3高血圧(12人): SBP 180 mmHg以上,DBP 110 mmHg以上
解析は,至適血圧+正常血圧,正常高値血圧,グレード1~3高血圧の3群にまとめて行った。
結 果
血圧が高いカテゴリーのほうが,年齢,BMI,空腹時血糖,総コレステロール,トリグリセリドなどの動脈硬化因子の値が高い傾向がみられた。

心血管疾患(CVD)を発症したのは94人(男性55人,女性39人)。うち脳卒中が64人(男性37人,女性27人),虚血性心疾患が30人(男性18人,女性12人)だった。
CVDによる死亡は17人。

血圧が高いカテゴリーのほうが,CVD発症率(1000人・年あたり)が高く,グレード1~3の高血圧では至適血圧+正常血圧に対する有意差がみられた。
   至適血圧+正常血圧: 6.24
   正常高値血圧: 11.26
   グレード1~3高血圧: 15.83 (P<0.05 vs. 至適血圧+正常血圧)
脳卒中と虚血性心疾患に分けて解析を行った結果,血圧との有意な関連はみられなかった。

Cox比例ハザードモデルにより,血圧ごとのCVDの相対リスク(性別,年齢,空腹時血糖,総コレステロール,BMIで調整)を算出した結果,血圧が高いカテゴリーのほうがCVD発症リスクが高く,グレード1~3の高血圧では至適血圧+正常血圧に対する有意差がみられた。
   至適血圧+正常血圧: 1.00
   正常高値血圧: 1.19 (95 %信頼区間0.89-1.20)
   グレード1~3高血圧: 1.46 (1.00-1.17, P=0.011,vs. 至適血圧+正常血圧)

以上のように,平均年齢が約60歳のコホートにおける検討の結果,血圧が高いほうが心血管疾患の発症率が高いことがわかった。


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