[2004年文献] 卵の摂取量が週1~2個の女性では,1日1個の女性にくらべて全死亡リスクが低い

日本全国から無作為に抽出した30歳以上の一般住民男女を対象としたコホート研究において,卵の摂取量と血清総コレステロール値との関連,ならびに14年間の追跡による死因別死亡および全死亡リスクとの関連を検討した。その結果,卵の摂取量の多い女性では,ベースライン時の血中総コレステロール値が高かった。追跡期間中の全死亡リスクをみると,週に1~2個摂取する女性では,1日1個摂取する女性に比した有意な低下がみとめられた。男性では,卵の摂取量と総コレステロール値,ならびに死亡リスクとの関連はみとめられなかった。これらの結果より,卵の摂取が総コレステロール摂取量に大きく影響している地域の女性では,卵の摂取制限が健康によい影響を与える可能性が示唆された。

Nakamura Y, et al.; NIPPON DATA80 Research Group. Egg consumption, serum cholesterol, and cause-specific and all-cause mortality: the National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease and Its Trends in the Aged, 1980 (NIPPON DATA80). Am J Clin Nutr. 2004; 80: 58-63.pubmed

コホート
NIPPON DATA80
無作為抽出された日本各地の300地区に住み,1980年の第3回循環器疾患基礎調査に登録された30歳以上の10546例のうち,冠動脈疾患または脳卒中既往のある166例,ベースライン時のデータが不足していた247例,追跡不能となった870例を除いた9263例を14年間追跡(1980~1994年)。
男性は4077例,女性は5186例。
ベースライン時に身体計測,血圧測定などのほか,自己記入質問票によって,食事を含む生活習慣の調査が行われた。
結 果
女性では,年齢調整後も,卵の摂取量の多いカテゴリーほどベースライン時の血中総コレステロール値が有意に高かったが(P<0.0001),男性では有意な関連はなかった。

女性の卵の摂取量は,調整前の全死亡率,虚血性心疾患死亡率,および癌死亡率と有意に相関した(それぞれP<0.0001,P=0.008,P=0.043)。
Cox比例ハザードモデルにおける全死亡の多変量調整ハザード比は以下のとおりで,卵を週に1~2個摂取する女性の全死亡リスクは,1日1個摂取する女性にくらべて有意に低かったが(*P=0.02),脳卒中死亡,虚血性心疾患死亡および癌死亡については,卵の摂取量による有意なリスクの差はみられなかった。

[ほとんど食べない]0.97(95%信頼区間0.72-1.32)
[週1~2個]0.78(0.63-0.96)*
[2日に1個]1.0(0.81-1.24)
[1日1個]1(対照)
[1日2個以上]1.48(0.84-2.61)

男性では,多変量調整前・調整後とも,卵の摂取量と死亡リスクとの関連はみとめられなかった。

◇ 結論
日本全国から無作為に抽出した30歳以上の一般住民男女を対象としたコホート研究において,卵の摂取量と血清総コレステロール値との関連,ならびに14年間の追跡による死因別死亡および全死亡リスクとの関連を検討した。その結果,卵の摂取量の多い女性では,ベースライン時の血中総コレステロール値が高かった。追跡期間中の全死亡リスクをみると,週に1~2個摂取する女性では,1日1個摂取する女性に比した有意な低下がみとめられた。男性では,卵の摂取量と総コレステロール値,ならびに死亡リスクとの関連はみとめられなかった。これらの結果より,卵の摂取が総コレステロール摂取量に大きく影響している地域の女性では,卵の摂取制限が健康によい影響を与える可能性が示唆された。


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