[2006年文献] BMIと脳梗塞死亡リスクはU字型に相関する

日本全国から無作為に抽出した30歳以上の一般住民を対象としたコホート研究において,BMIと脳卒中死亡リスクとの関連を検討した。19年間の追跡の結果,BMIは脳梗塞死亡リスクとU字型の相関を示し,とくにBMIが18.5 kg/m2未満ともっとも低いカテゴリーの男性では,脳梗塞死亡の有意なリスク上昇がみられた。BMIと全脳卒中死亡リスクについてもU字型の関連がみられたが有意ではなかった。

Oki I, et al.; Nippon Data80 Research Group. Body mass index and risk of stroke mortality among a random sample of Japanese adults: 19-year follow-up of NIPPON DATA80. Cerebrovasc Dis. 2006; 22: 409-15.pubmed

コホート
NIPPON DATA80
無作為抽出された国内300地区に住み,1980年の第3次循環器疾患基礎調査に登録された30歳以上の10546人のうち,追跡不可能となった870人,脳卒中既往のある117人,検査データに不備のあった33人を除いた9526人(男性4171人,女性5355人,164457人・年)を1999年まで平均17.3年間追跡。
ベースライン時のBMI(kg/m2)により,全体を以下の5つのカテゴリーに分けて解析を行った: 18.5未満,18.5-22.9,23.0-24.9,25.0-29.9,30以上。
結 果
BMIの平均は22.7 kg/m2(男性22.5 kg/m2,女性22.9 kg/m2)。
男女ともにBMIと相関傾向を示したのは,収縮期血圧,拡張期血圧,血中総コレステロール,降圧薬服用率。BMIと逆相関傾向を示したのは喫煙率。

脳卒中による死亡は319人。うち182人が脳梗塞,70人が脳出血,67人がくも膜下出血または病型不明であった。

脳梗塞死亡リスクとBMIは,U字型の相関を示した。
男性,女性いずれも,脳梗塞死亡のハザード比がもっとも高くなったのはBMIが30 kg/m2以上の人だったが(vs. 23.0-24.9 kg/m2),このリスク上昇は有意ではなかった。
男女をあわせて解析を行うと,BMI 23.0~24.9 kg/m2にくらべ,BMIが30 kg/m2以上の人では脳梗塞死亡のハザード比が2.49(95%信頼区間1.02-6.10,P=0.05),18.5 kg/m2未満では1.85 (1.05-3.26,P=0.03)と有意に高くなった。

全脳卒中死亡リスクとBMIも同様にU字型の相関を示したものの,男女をあわせて解析を行った結果は有意ではなかった。
男性では,18.5 kg/m2未満(ハザード比 1.90,95%信頼区間1.02-3.53,P=0.04),18.5~22.9 kg/m2(1.61,1.01-2.57,P=0.05)のカテゴリーで有意に全脳卒中死亡リスクが高かった。

◇ 結論
日本全国から無作為に抽出した30歳以上の一般住民を対象としたコホート研究において,BMIと脳卒中死亡リスクとの関連を検討した。19年間の追跡の結果,BMIは脳梗塞死亡リスクとU字型の相関を示し,とくにBMIが18.5 kg/m2未満ともっとも低いカテゴリーの男性では,脳梗塞死亡の有意なリスク上昇がみられた。BMIと全脳卒中死亡リスクについてもU字型の関連がみられたが有意ではなかった。


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