[2012年文献] 糖尿病/耐糖能異常の人は平均余命が短い

糖尿病の有無による平均余命の違いについて,無作為に抽出された日本人一般住民を対象とした追跡研究による検討を行った。その結果,性別・年齢層を問わず,糖尿病のみならず耐糖能異常の人の平均余命は非糖尿病の人よりも短くなっており,たとえば糖尿病をもつ40歳の人の平均余命は,非糖尿病の人に比して男性で8.8年,女性で6.6年短かった。

Turin TC, et al.; NIPPON DATA80 Research Group. Diabetes and life expectancy among Japanese - NIPPON DATA80. Diabetes Res Clin Pract. 2012; 96: e18-22.pubmed

コホート
NIPPON DATA80
1980年の第3次循環器疾患基礎調査に登録され,無作為に抽出された日本各地の300地区に住む30歳以上の10546人のうち,データに不備があった,または追跡不可能となった941人を除いた9605人(男性4228人,女性5377人)。

糖尿病および耐糖能異常の定義は以下のとおり。
  糖尿病: 随時血糖値≧200 mg/dL,空腹時血糖値≧126 mg/dL,糖尿病治療薬服用,または自己申告による糖尿病既往あり
  耐糖能異常(IGT): 随時血糖値140 mg/dL以上200 mg/dL未満,または空腹時血糖値110 mg/dL以上126 mg/dL未満
結 果
ベースライン時の糖尿病有病率は,男性5.4%,女性2.9%,耐糖能異常(IGT)はそれぞれ5.0%,3.6%であった。

糖尿病およびIGTの有無ごとの平均余命(年)は以下のとおり(▼: 非糖尿病との差)で,性別および年齢層を問わず,糖尿病およびIGTの人における,非糖尿病の人に比した平均余命の短縮がみとめられた。

◇ 男性
40歳 [非糖尿病]41.1,[IGT]36.9(▼4.2),[糖尿病]32.3(▼8.8)
45歳 [非糖尿病]36.3,[IGT]31.9(▼4.3),[糖尿病]31.9(▼4.4)
50歳 [非糖尿病]31.8,[IGT]27.4(▼4.4),[糖尿病]26.9(▼4.9)
55歳 [非糖尿病]27.2,[IGT]23.8(▼3.4),[糖尿病]22.3(▼4.9)
60歳 [非糖尿病]22.9,[IGT]20.6(▼2.3),[糖尿病]18.9(▼4.0)
65歳 [非糖尿病]18.8,[IGT]16.5(▼2.3),[糖尿病]15.4(▼3.4)
70歳 [非糖尿病]15.0,[IGT]12.3(▼2.7),[糖尿病]12.2(▼2.8)
75歳 [非糖尿病]11.7,[IGT]9.4(▼2.3),[糖尿病]9.5(▼2.2)
80歳 [非糖尿病]9.1,[IGT]6.9(▼2.2),[糖尿病]6.8(▼2.3)
85歳 [非糖尿病]6.9,[IGT]5.8(▼1.1),[糖尿病]6.0(▼0.9)

◇ 女性
40歳 [非糖尿病]47.5,[IGT]45.8(▼1.7),[糖尿病]40.9(▼6.6)
45歳 [非糖尿病]42.7,[IGT]40.8(▼1.9),[糖尿病]35.9(▼6.8)
50歳 [非糖尿病]37.9,[IGT]36.7(▼1.2),[糖尿病]30.9(▼7.0)
55歳 [非糖尿病]33.2,[IGT]31.7(▼1.5),[糖尿病]26.7(▼6.5)
60歳 [非糖尿病]28.7,[IGT]26.7(▼2.0),[糖尿病]23.1(▼5.6)
65歳 [非糖尿病]24.3,[IGT]21.9(▼2.4),[糖尿病]18.4(▼5.9)
70歳 [非糖尿病]20.0,[IGT]17.9(▼2.1),[糖尿病]15.7(▼4.3)
75歳 [非糖尿病]16.1,[IGT]13.7(▼2.4),[糖尿病]11.5(▼4.6)
80歳 [非糖尿病]12.5,[IGT]10.2(▼2.3),[糖尿病]9.5(▼3.0)
85歳 [非糖尿病]9.8,[IGT]7.1(▼2.7),[糖尿病]7.9(▼1.9)


◇ 結論
糖尿病の有無による平均余命の違いについて,無作為に抽出された日本人一般住民を対象とした追跡研究による検討を行った。その結果,性別・年齢層を問わず,糖尿病のみならず耐糖能異常の人の平均余命は非糖尿病の人よりも短くなっており,たとえば糖尿病をもつ40歳の人の平均余命は,非糖尿病の人に比して男性で8.8年,女性で6.6年短かった。


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