[2008年文献] 早食い,かつ満腹になるまで食事する人は過体重になりやすい

日本の都市部および農村部の一般住民を対象とした断面解析において,「満腹になるまで食事する」,および「早食いする」食習慣と過体重リスクとの関連を検討した。その結果,男女とも「満腹になるまで食事する」食習慣および「早食いする」食習慣は,それぞれ過体重リスクの増加と関連した。また,「満腹になるまで食事する」食習慣と「早食いする」食習慣をあわせもつ場合,過体重リスクが顕著に増加した。

Maruyama K, et al. The joint impact on being overweight of self reported behaviours of eating quickly and eating until full: cross sectional survey. BMJ. 2008; 337: a2002.pubmed

コホート
2003~2006年に2地域(大阪府八尾市南高安地区[都市部],秋田県南秋田郡井川町[農村部])の循環器健診に参加し食習慣に関する質問票に回答した30~69歳の住民3650人のうち,心血管疾患の既往のある308人,総エネルギー摂取量がきわめて高い(>4000 kcal)または低い(<500 kcal)20人,食習慣のデータがない35人を除いた3287人(男性1122人,女性2165人)(断面解析)。

質問票を用いて前月の食習慣(満腹になるほど食事する[はい/いいえ],食事の速度[きわめて遅い/遅い/普通/早い])を調査し,以下のようにカテゴリー分けして解析した。

・ 「満腹になるまで食事する」または「満腹になるほど食事しない」
・ 「早食いする」または「早食いしない」
・ 上の2つの組み合わせ
  「満腹になるほど食事しない」+「早食いしない」:男性352人,女性668人
  「満腹になるまで食事する」+「早食いしない」:男性258人,女性712人
  「満腹になるほど食事しない」+「早食いする」:男性199人,女性232人
  「満腹になるまで食事する」+「早食いする」:男性313人,女性553人
結 果
◇ 対象背景
平均年齢は男性55.3歳,女性52.4歳,過体重者はそれぞれ33.8%,21.8%。
男女ともに,「満腹になるまで食事する」+「早食いする」人(男性51.4歳,女性50.9歳)は,「満腹になるほど食事しない」+「早食いしない」人(58.1歳,54.6歳)にくらべて身長,体重,BMI,および総エネルギー摂取量が高かった(年齢で調整)。

◇食習慣と過体重
食習慣と過体重の多変量調整オッズ比(95%信頼区間)との関連は以下のとおり。

・ 男性
 「満腹になるまで食事する」: 2.00(1.53-2.62) vs. 「満腹になるほど食事しない」
 「早食いする」:1.84(1.42-2.38) vs. 「早食いしない」
 「満腹になるまで食事する」+「早食いする」:3.13(2.20-4.45) vs. 「満腹になるほど食事しない」+「早食いしない」

・ 女性
 「満腹になるまで食事する」:1.92(1.53-2.40) vs. 「満腹になるほど食事しない」
 「早食いする」:2.09(1.69-2.59) vs. 「早食いしない」
 「満腹になるまで食事する」+「早食いする」:3.21(2.41-4.29) vs. 「満腹になるほど食事しない」+「早食いしない」


◇ 結論
日本の都市部および農村部の一般住民を対象とした断面解析において,「満腹になるまで食事する」,および「早食いする」食習慣と過体重リスクとの関連を検討した。その結果,男女とも「満腹になるまで食事する」食習慣および「早食いする」食習慣は,それぞれ過体重リスクの増加と関連した。また,「満腹になるまで食事する」食習慣と「早食いする」食習慣をあわせもつ場合,過体重リスクが顕著に増加した。


▲このページの一番上へ

--- epi-c.jp 収載疫学 ---
Topics
【epi-c研究一覧】 CIRCS | EPOCH-JAPAN | Funagata Diabetes Study(舟形スタディ) | HIPOP-OHP | Hisayama Study(久山町研究)| Iwate KENCO Study(岩手県北地域コホート研究) | JACC | JALS | JMSコホート研究 | JPHC | NIPPON DATA | Ohasama Study(大迫研究) | Ohsaki Study(大崎研究) | Osaka Health Survey(大阪ヘルスサーベイ) | 大阪職域コホート研究 | SESSA | Shibata Study(新発田研究) | 滋賀国保コホート研究 | Suita Study(吹田研究) | Takahata Study(高畠研究) | Tanno Sobetsu Study(端野・壮瞥町研究) | Toyama Study(富山スタディ) | Honolulu Heart Program(ホノルル心臓調査) | Japanese-Brazilian Diabetes Study(日系ブラジル人糖尿病研究) | NI-HON-SAN Study
【登録研究】 OACIS | OKIDS | 高島循環器疾患発症登録研究
【国際共同研究】 APCSC | ERA JUMP | INTERSALT | INTERMAP | INTERLIPID | REACH Registry | Seven Countries Study
【循環器臨床疫学のパイオニア】 Framingham Heart Study(フラミンガム心臓研究),動画編
【最新の疫学】 Worldwide文献ニュース | 学会報告
………………………………………………………………………………………
copyright Life Science Publishing Co., Ltd. All Rights Reserved.