[2007年文献] 蛋白尿の人の長期的な医療費は,蛋白尿のない人より高額

国民健康保険に加入している一般住民を対象とした前向きコホート研究において,蛋白尿が長期的な医療費に及ぼす影響を検討した。2001年まで10年間追跡した結果,蛋白尿の人の医療費は,蛋白尿のない人にくらべて有意に高額であった。

Nakamura K, et al.; Health Promotion Research Committee of the Shiga National Health Insurance Organizations. Medical costs of individuals with proteinuria: A 10-year follow-up study of National Health Insurance in Shiga, Japan. Public Health. 2007; 121: 174-6.pubmed

コホート
滋賀国保コホート研究。
1989~1991年に健診を受診した40~69歳の国民健康保険加入者4490人を,2001年まで10年間追跡。

試験紙法による尿検査を行い,「1+」「2+」「3+」のいずれかに該当する場合を蛋白尿とした。
結 果
◇ 対象背景
年齢54.3歳,女性57%。
試験紙法の判定結果「-」の割合は4411人(98.2%),「±」は32人(0.7%),「1+」は31人(0.7%),「2+」は15人(0.3%),「3+」は1人(0.1%未満)であった。

◇ 蛋白尿と個人の医療費
蛋白尿の有無ごとの,個人の医療費(加入1か月あたり,調整後の幾何平均値)は以下のとおりで,蛋白尿のある人では医療費が有意に高額となっていた。
高血圧,糖尿病およびその他の危険因子により調整)

  蛋白尿なし(4443人): 8451円
  蛋白尿あり(47人): 14200円(P<0.01 vs. 蛋白尿なし)

◇ 蛋白尿と入院および全死亡リスク
蛋白尿なしの人に対する蛋白尿の人の入院の調整オッズ比は1.54(95%信頼区間0.84-2.84),全死亡の調整オッズ比は1.60(0.64-4.03)であった。


◇ 結論
国民健康保険に加入している一般住民を対象とした前向きコホート研究において,蛋白尿が長期的な医療費に及ぼす影響を検討した。2001年まで10年間追跡した結果,蛋白尿の人の医療費は,蛋白尿のない人にくらべて有意に高額であった。


▲このページの一番上へ

--- epi-c.jp 収載疫学 ---
Topics
【epi-c研究一覧】 CIRCS | EPOCH-JAPAN | Funagata Diabetes Study(舟形スタディ) | HIPOP-OHP | Hisayama Study(久山町研究)| Iwate KENCO Study(岩手県北地域コホート研究) | JACC | JALS | JMSコホート研究 | JPHC | NIPPON DATA | Ohasama Study(大迫研究) | Ohsaki Study(大崎研究) | Osaka Health Survey(大阪ヘルスサーベイ) | 大阪職域コホート研究 | SESSA | Shibata Study(新発田研究) | 滋賀国保コホート研究 | Suita Study(吹田研究) | Takahata Study(高畠研究) | Tanno Sobetsu Study(端野・壮瞥町研究) | Toyama Study(富山スタディ) | Honolulu Heart Program(ホノルル心臓調査) | Japanese-Brazilian Diabetes Study(日系ブラジル人糖尿病研究) | NI-HON-SAN Study
【登録研究】 OACIS | OKIDS | 高島循環器疾患発症登録研究
【国際共同研究】 APCSC | ERA JUMP | INTERSALT | INTERMAP | INTERLIPID | REACH Registry | Seven Countries Study
【循環器臨床疫学のパイオニア】 Framingham Heart Study(フラミンガム心臓研究),動画編
【最新の疫学】 Worldwide文献ニュース | 学会報告
………………………………………………………………………………………
copyright Life Science Publishing Co., Ltd. All Rights Reserved.