[2006年文献] 日系人の血清フィブリノーゲン値は日本人よりも有意に高かった

日系人では日本人よりも血清フィブリノーゲンの値が有意に高いことがわかった。また,この差にはBMIおよび鉄,糖質,カフェインの摂取量が相関しており,これらの因子が日米の冠動脈疾患死亡率の違いにも影響を与えている可能性が示唆された。

Miura K, et al.; INTERMAP Research Group. Dietary factors related to higher plasma fibrinogen levels of Japanese-americans in hawaii compared with Japanese in Japan. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2006; 26: 1674-9.pubmed

コホート
1997年のINTERMAP研究の参加者(40~59歳)のうち,日本人の4集団(北海道札幌市,富山県黒部市,滋賀県愛東町(現・東近江市),和歌山県和歌山市)の計1136例,および米国ハワイ州ホノルルに住む日系人3世および4世の1集団206例の計1342例(男性669例,女性673例)について補足的に血液検査を行い,INTERLIPID研究とした。
日本人で日系人よりも有意に高い値を示したのは,HDL-C(男性のみ),尿中ナトリウム排泄,尿中カリウム排泄(女性のみ),尿中ナトリウム/カリウム比,運動量(女性のみ),喫煙率(男性のみ),喫煙本数(男性のみ)。
一方,日系人で日本人よりも有意に高い値を示したのは,体重,BMI,血清総コレステロール,LDL-C,ヘモグロビンA1c,尿中カリウム排泄(男性のみ),教育年数,降圧薬服用率,ビタミン・ミネラル栄養補助食品摂取率,特別食*の割合。(*特別食: 体重管理食,ベジタリアン食,減塩食,糖尿病食,脂肪管理食など)
また,日本人と日系人との間で有意差がなかったのは,年齢,身長,血圧,心血管疾患既往,HDL-C(女性のみ),喫煙率(女性のみ),喫煙本数(女性のみ)。
結 果
血清フィブリノーゲンは,日系人(男性287.8 mg/dL,女性310.6 mg/dL)のほうが日本人(253.7 mg/dL,258.6 mg/dL)よりも有意に高かった(P<0.001)。

◇食事因子の比較
日本人で日系人よりも有意に高い値を示したのは,植物性蛋白質,不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比,n-3系不飽和脂肪酸,コレステロール,炭水化物,澱粉,アルコール,ビタミンC(女性のみ),ビタミンE,カルシウム(女性のみ),セレニウムの摂取。
一方,日系人で日本人よりも有意に高い値を示したのは,総摂取エネルギー量(男性のみ),総蛋白質(男性のみ),動物性蛋白質,総脂肪,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,n-6系不飽和脂肪酸,トランス脂肪酸,Keysスコア(男性のみ),繊維質(男性のみ),糖質,ビタミンA,βカロテン,マグネシウム,鉄,リン(男性のみ),カフェイン。

◇血清フィブリノーゲンの差に関与していた因子
多重回帰分析によると,日本人と日系人との間の血清フィブリノーゲンの差に対して有意に相関していたのはBMI,喫煙,教育年数,n-3系不飽和脂肪酸,澱粉,糖質,コレステロール,マグネシウム,鉄,ビタミンA,βカロテン,カフェイン,尿中ナトリウム排泄,尿中ナトリウム/カリウム比。なかでも相関度が大きかったのはBMI,鉄,糖質およびカフェインの摂取だった。

以上のように,日系人では日本人よりも血清フィブリノーゲンの値が有意に高いことがわかった。また,この差にはBMIおよび鉄,糖質,カフェインの摂取量が相関しており,これらの因子が日米の冠動脈疾患死亡率の違いにも影響を与えている可能性が示唆された。


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