[2002年文献] 日本人女性のカルシウム摂取量は血圧と有意に逆相関した

カルシウムを多く摂取することで血圧に望ましい効果を与える可能性が示唆される。

Morikawa Y, et al. A cross-sectional study on association of calcium intake with blood pressure in Japanese population. J Hum Hypertens. 2002; 16: 105-10.pubmed

コホート
1985年のINTERSALT研究に参加した日本の3地域で,当時と同様の手法を用いて8年後の1993年に調査を行った(INTERSALT-2研究)。
大阪府吹田市の生命保険会社の社員とその配偶者200例,富山県のアルミ建築資材工場に勤める200例,および栃木県の農村住民200例のうち,データに不備があった124例を除いた20~59歳の476例(男性230例,女性246例)。大阪は185例,栃木は95例,富山は196例。
食事によるカルシウム摂取量は,栄養士による面接で24時間思い出し法(1日間)を行い,記録した。
結 果
性別・地域ごとの1日あたりの平均カルシウム摂取量(mg)は以下のようになった。
男女ともに,もっとも摂取量が低かったのは富山(*P<0.05)。
[大阪] 男性 608,女性 597,[栃木] 男性 589,女性 639,[富山] 男性 557,女性 528*。

ピアソン相関でみると,男女ともに血圧とカルシウム摂取量との有意な相関は見られなかった。
カルシウム摂取量は,尿中カリウム排泄,ナトリウム/カリウム比(女性のみ)と相関していた。
女性のカルシウム摂取量は,年齢とともに高くなる傾向を示した。

重回帰分析によると,男性では,カルシウム摂取量が100 mg増えると収縮期血圧(SBP)が0.42 mmHg低下し,拡張期血圧(DBP)が0.35 mmHg低下することがわかったが,これらは有意な変化ではなかった。
同様に,女性ではカルシウム摂取量が100 mg増えるとSBPが0.92 mmHg低下,DBPが0.83 mmHg低下し,血圧とカルシウム摂取量の有意な逆相関が見られた。
集団別にみると,血圧とカルシウム摂取量の有意な逆相関が見られたのは大阪のみ。
これらの有意性は,年齢,BMI,アルコール摂取,尿中ナトリウム・カリウム排泄で補正を行った上でも変わらなかった。

以上の結果より,カルシウムを多く摂取することで血圧に望ましい効果を与える可能性が示唆される。


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