[2007年文献] 日本人における危険因子の管理・治療は不十分

REACH Registryの他の参加国と同様,日本でもアテローム血栓症の危険因子に対する管理および治療は不十分であった。

Yamazaki T, et al.; REACH Registry Investigators. Prevalence, awareness and treatment of cardiovascular risk factors in patients at high risk of atherothrombosis in Japan. Circ J. 2007; 71: 995-1003.pubmed

コホート
REACH Registryに登録された日本人(390施設5213人)のうち,登録時に入院していた3人,登録基準に該当しない1人,重複登録者,および参加の意志を撤回した人を除いた5193人。
登録基準: 冠動脈疾患(CAD),脳血管疾患(CVD),末梢動脈疾患(PAD)のいずれかのアテローム血栓症を持っている,またはアテローム血栓症の危険因子 【参照】 を3つ以上持っている45歳以上の外来患者。
男性の割合は69.4 %で,平均年齢は70.3歳。
結 果
◇ 患者背景
冠動脈疾患(CAD),脳血管疾患(CVD),末梢動脈疾患(PAD)のいずれかのアテローム血栓症を持っている人(症候性患者)は83.7 %で,危険因子のみをもつ人は16.3 %だった。
複数の部位に動脈硬化をもつ人は11.8 %(症候性患者の14.0 %)。脳,心臓,末梢動脈の3つすべてに動脈硬化をもつ人は0.8 %だった。

頻度の高かった合併症は,高血圧(70.8 %),高脂血症(46.4 %),糖尿病(45.5 %)など。
現在喫煙している人は16.9 %,以前喫煙していた人は45.4 %。
NCEP基準による肥満(腹囲が男性102 cm以上,女性88 cm以上)は10.6 %,日本基準による肥満(腹囲が男性85 cm以上,女性90 cm以上)は42.1 %だった。

無症候性患者に比べ,症候性患者で高い頻度を示したのは,男性の割合,日本基準による肥満,以前喫煙していた人。
一方,症候性患者に比べ,無症候性患者で高い頻度を示したのは,糖尿病,高血圧,高脂血症,NCEP基準による肥満,過体重(BMI 25~29 kg/m2),BMI 30 kg/m2以上の肥満,現在喫煙している人。

高脂血症は,症候性患者のうちCAD患者でもっとも多い合併症だった。一方,高血圧は,症候性患者のうちPAD患者でもっとも多い合併症だった。

◇ 危険因子のコントロール状況
症候性患者のうち,血圧,コレステロール,もしくはその両方の管理が不十分な人は40 %以上だった。
CAD患者に比べ,CVD患者およびPAD患者のほうが血圧やコレステロール管理が不十分という傾向がみられた。

血圧高値を示している人のうち,降圧薬を服用しているのは79.6 %で,もっともよく使われていたのはCa拮抗薬だった。
また,抗血小板薬を服用している人は74.0 %で,症候性患者においては疾患にかかわらず80 %以上だった。
症候性患者のうち,アスピリンの服用率はCAD患者でもっとも高く(77.3 %),PAD患者でもっとも低かった(38.1 %)。
糖尿病既往者または血糖高値を示していた人のうち,糖尿病治療の割合は症候性患者に比べて無症候性患者で高かった(30.6 % vs. 81.5 %)。症候性患者は,無症候性患者に比べて血糖管理が不十分という傾向がみられた(40 % vs. 72 %)。
脂質降下薬は無症候性患者,およびCAD患者で服用の頻度が高かったが,CVD患者およびPAD患者では低かった。

以上のように,REACH Registryの他の参加国と同様,日本でもアテローム血栓症の危険因子に対する管理および治療は不十分であった。


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