[2005年文献] 自由行動下血圧は心血管系死亡と直線的に相関する

24時間収縮期血圧と心血管死亡との関係は,U字,J字ではないこと,夜間血圧が昼間血圧よりも心血管死亡を予測するといえる。

Kikuya M, et al: Ambulatory blood pressure and 10-year risk of cardiovascular and noncardiovascular mortality: the Ohasama study.Hypertension 2005; 45: 240-5.pubmed

コホート
大迫町の40歳以上の住民で24時間血圧測定を行った1542人中,随時血圧が得られた1332人。
登録者の背景は下記の通り。
項目
平均年齢 61.8±9.9
男性 34.5%
BMI≧25kg/m2 31.2%
降圧薬治療 30.4%
喫煙既往 20.4%
高コレステロール血症 16.3%
糖尿病 17.4%
心血管疾患既往 5.6%

24時間血圧の平均計測時間は22.3±2.3時間。24時間,日中(覚醒時)および夜間(就寝時)の平均血圧はそれぞれ123.3±13.0/72.0±7.7,128.9±13.9/76.1±8.4,112.3±14.4/64.1±8.1mmHgであり,随時血圧131.2±18.5/74.1±11.3mmHgよりも有意に低かった。
結 果
24時間血圧と随時血圧の10年間の死亡率予測能を比較。
平均追跡期間は10.8年。1332人中,26人(2%)が追跡できなかった。10.8年間で心血管死亡が72件あり,24時間収縮期血圧(五分位で解析)と心血管死亡の関係は最初の5年間はU字型だったが,10.8年間でみるとJ字型になった。しかし,最初の2年間の死亡例を除外して解析を行うと,24時間収縮期血圧の第1-第4五分位ではリスクは上昇しなかったが,第5五分位(134mmHg以上)で心血管死亡リスクが上昇した(これは追跡初期の死亡例では,健康状態が悪く血圧値も低いことが多いためであり,多くの研究で同様の因果関係の逆転のバイアスが指摘されている)。
一方,24時間拡張期血圧では追跡期間や,初期死亡例の除外を行っても血圧値とリスクにはJ字型の相関があった。
また,夜間血圧と昼間血圧を同時にCoxモデルで解析すると,夜間血圧のみが10.8年間の心血管死亡リスクの予測能を有していた。
すなわち,24時間収縮期血圧と心血管死亡との関係は,U字,J字ではないこと,夜間血圧が昼間血圧よりも心血管死亡を予測するといえる。


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