[1999年文献] 朝の家庭血圧は,晩の家庭血圧よりも有意に高い

日本人一般住民を対象とした前向きコホート研究の断面解析により,家庭血圧測定における朝の測定結果と晩の測定結果の比較を行った。その結果,朝の家庭血圧値は,晩の家庭血圧値よりも有意に高かった。これより,家庭血圧値を臨床で用いる場合は,測定時間による違いを考慮に入れる必要性が示唆された。

Imai Y, et al: Characteristics of blood pressure measured at home in the morning and in the evening: the Ohasama study. J Hypertens 1999; 17: 889-98.pubmed

コホート
20歳以上の3744人のうち,町外で就労しており平日の自由行動下血圧測定が困難だった人,入院している人,寝たきりの人を除外した上で,随時血圧のほか,朝・晩の家庭血圧を各14回以上測定した1207人。
降圧薬を服用していたのは326人(治療群),服用していなかったのは881人(非治療群)。
結 果
男性,女性,治療群,非治療群のいずれにおいても,朝の家庭血圧は,晩よりもわずかながら有意に高かった。
家庭血圧の朝晩の差は,女性より男性で大きく,また非治療群より治療群で有意に大きかった。

長期的な血圧変動の尺度として標準偏差を調べたところ,晩の家庭血圧の標準偏差のほうが朝よりもわずかながら有意に大きかった。すなわち血圧の変動が大きかった。
治療群の家庭血圧の標準偏差は,非治療群より有意に大きかった。

多重線形回帰分析によると,朝・晩の収縮期血圧(SBP)差と有意かつ独立に相関していたのは,性別(男性),降圧薬服用,家庭SBPの標準偏差。
朝晩の拡張期血圧(DBP)差と有意かつ独立に相関していたのは,性別(男性),降圧薬服用,家庭DBPの標準偏差。

非治療群では随時血圧と家庭血圧の間にゆるやかな相関が見られたが,治療群では相関が弱くなった。
治療群と非治療群のどちらにおいても,朝と晩の家庭血圧はよく相関したが,治療群では相関が弱くなった。

以上のように,家庭血圧を臨床で用いる場合は,測定時間による違いを考慮に入れる必要性が示唆された。


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