[2006年文献] 乳製品から摂取するカルシウム量が多いほど,心血管疾患死亡のリスクが減少する

中高年の日本人一般住民を対象とした大規模前向きコホート研究において,カルシウム摂取量と心血管疾患死亡リスクとの関連を検討した。9.6年間の追跡の結果,乳製品由来のカルシウム摂取量の増加は,脳卒中死亡リスクの減少と関連することが見出された。

Umesawa M, et al. Dietary intake of calcium in relation to mortality from cardiovascular disease: the JACC Study. Stroke. 2006; 37: 20-6.pubmed

コホート
国内の45地区に居住し,1988~1990年のベースライン調査に参加した40~79歳の110792例のうち,脳卒中,冠動脈疾患または癌の既往がなく,牛乳,チーズ,ヨーグルトの摂取に関するデータが得られた53387例(男性21068例,女性32319例)を9.6年間追跡(515029人・年)。
全体を,乳製品由来のカルシウム摂取量および総カルシウム摂取量別に五分位に分けて解析をおこなった。
結 果
総カルシウム摂取量が多い例では,少ない例に比べ,喫煙,飲酒,高血圧既往が少なく,エネルギー摂取,カリウム摂取が多い傾向にあった。

総カルシウム摂取量は,全脳卒中死亡率,および脳梗塞死亡率と逆相関の傾向にあったが,有意な相関があったのは女性の全脳卒中のみで,冠動脈疾患死亡,全心血管疾患死亡との関連はみられなかった。

男女を合わせて解析すると,総カルシウム摂取がもっとも多い五分位(1日590mg以上の男性および1日596mg/以上の女性)では全脳卒中死亡の相対危険度が0.86(P=0.003,95%信頼区間0.56-1.31),脳梗塞の相対危険度が0.74(P=0.03,0.41-1.36)だった(vs. もっとも少ない五分位: 男性315mg未満,女性331mg未満)。

乳製品由来のカルシウム摂取量は,全脳卒中死亡率および全心血管疾患死亡率と有意な逆相関を示した。この有意性は,喫煙および飲酒で補正しても変わらなかった。
冠動脈疾患では有意な相関なし。
非乳製品由来のカルシウム摂取量は,いずれの心血管疾患死亡とも相関なし。

◇ 結論
中高年の日本人一般住民を対象とした大規模前向きコホート研究において,カルシウム摂取量と心血管疾患死亡リスクとの関連を検討した。9.6年間の追跡の結果,乳製品由来のカルシウム摂取量の増加は,脳卒中死亡リスクの減少と関連することが見出された。


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