[学会報告・日本循環器学会2013] ARIC,Ibaraki Prefectural Health Study,岩手県北地域コホート研究,NIPPON DATA,SESSA,端野・壮瞥町研究


第77回日本循環器学会学術集会は, 2013年3月15日(金)~17日(日)の3日間,横浜にて開催された。ここでは,学会で発表された疫学研究の一部を紹介する。

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ARIC 高感度トロポニンTとNT-proBNPは,CKDの有無にかかわらず心血管疾患リスク予測に有用
Ibaraki Prefectural
Health Study
貧血と腎機能低下は互いに独立して心房細動発症リスクと関連
岩手県北地域
コホート研究
LDL-C/HDL-C比高値は,LDL-C値正常者でも急性心筋梗塞+突然死リスク
岩手県北地域
コホート研究
新しいCKDステージ分類と死因別死亡リスク,心血管死リスクとの関係
岩手県北地域
コホート研究
BNP高値と心血管イベントとの関連は,既知の危険因子よりも強い
岩手県北地域
コホート研究
non-HDL-Cと虚血性心疾患リスクとの関連は,直接測定LDL-Cと同等
NIPPON DATA 1980~2010年代の危険因子や食事・栄養因子と循環器疾患死亡リスク,および今後の展望
NIPPON DATA80 長鎖n-3不飽和脂肪酸の高摂取により,心拍数上昇に関連した循環器死亡リスクは減弱する
SESSA non-HDL-Cは冠動脈石灰化との関連が強い
端野・壮瞥町研究 動脈硬化性疾患予防ガイドラインによる高リスク者では頸動脈硬化が進展

[ARIC] 高感度トロポニンTとNT-proBNPは,CKDの有無にかかわらず心血管疾患リスク予測に有用

発表者: ジョンズホプキンス大学・松下 邦洋 氏 (3月16日,シンポジウム10)
  目的: 慢性腎臓病(CKD)の人において,新しいバイオマーカー(心機能: 高感度トロポニンT,N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド[NT-proBNP],腎機能: シスタチンC,β2ミクログロブリン,βトレース蛋白,尿中アルブミン/クレアチニン比)の心血管疾患発症リスク予測能を検討。
  コホート・手法: Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究の,visit 4(1996~1998年)に参加した8622人(CKD: 940人,非CKD: 7682人)を12年間追跡(中央値)。リスク予測能の基準として,C統計量,net reclassification improvement(NRI),integrated discrimination improvement(IDI)を用いた。
  結果: すべての心・腎機能マーカーについて,心血管疾患(冠動脈疾患+脳卒中+心不全)発症リスクとの有意な関連がみとめられ,とくに心機能マーカーについては既知の危険因子よりも強い関連がみられた。既知の危険因子のみによる予測モデルにこれらのマーカーを加えた場合の予測能の改善度は,腎機能マーカーよりも心機能マーカーのほうが顕著であった。これらの結果は非CKDの人でも同様であった。
松下邦洋氏 松下邦洋氏のコメント
ARIC研究の対象者において,心筋障害を反映する高感度トロポニンT,および心負荷を反映するNT-proBNPという心臓に特異的なマーカーを用いることによって,心血管疾患発症リスクのより正確な予測が可能になることが示唆されました。これらを臨床で実際に活用するためには,測定にかかるコストの問題や介入による予防効果など,まだいくつか確認すべき点がありますが,今回のわれわれのデータは,その第一歩であるといえます。疫学研究で新しいバイオマーカーの検討を行う際には,そのマーカーが疾患と有意に関連するかどうかだけでなく,集団のなかで高リスク者をきちんと判別できるかどうか,すなわちリスク予測能の評価も必要です。今回検討したマーカーについて日本人で検討する場合,相対リスクの点では,おそらく高値の人のリスクが高いという同様の結果が出ると思いますが,日本人は心イベントが少なく,ARICの集団とは絶対リスクが異なるため,NRIのようなリスク予測能の指標については,若干異なる結果が出る可能性があります。


[Ibaraki Prefectural Health Study] 貧血と腎機能低下は互いに独立して心房細動発症リスクと関連

発表者: 筑波大学・許 東洙 氏 (3月17日,ポスター)
  目的: 貧血および腎機能低下と新規心房細動発症リスクとの関連を検討。
  コホート・手法: Ibaraki Prefectural Health Studyの1993年の健診を受診した,40~79歳の13万2608人を2008年まで14年間追跡。腎機能については,推算糸球体濾過量(eGFR[mL/min/1.73 m²])90以上を正常,60~89を腎機能低下,60未満を慢性腎臓病(CKD)とした。貧血については,血清ヘモグロビン値(g/dL)男性13未満,女性11未満を貧血とし,男性13以上15未満,女性11以上13未満を境界域貧血,男性15以上18未満,女性13以上16未満を正常とした。
  結果: 貧血,腎機能低下およびCKDは,心房細動の新規発症の多変量調整ハザード比と有意に関連していた。CKDと境界域貧血または貧血をあわせもつと,これらを単独でもつ場合よりもさらにハザード比が高くなったことから,貧血と腎機能低下は,互いに独立して心房細動発症に関与していることが示唆された。


[岩手県北地域コホート研究] LDL-C/HDL-C比高値は,LDL-C値正常者でも急性心筋梗塞+突然死リスク

発表者: 岩手医科大学・田中 文隆 氏 (3月16日,Late Breaking Cohort Studies 3)
  目的: LDL-C,HDL-C,総コレステロール(TC)/HDL-C比,LDL-C/HDL-C比と急性心筋梗塞(AMI)発症+突然死のリスクとの関連を,LDL-Cの中央値で分けたカテゴリー間で比較。
  コホート・手法: 岩手県北地域コホート研究の40歳以上の22519人を2002~2004年から平均5.6年間追跡。直接測定法によるLDL-C値120 mg/dL未満を正常値群,120 mg/dL以上を高値群とし,それぞれにおけるLDL-C値(中央値以上 vs 未満),HDL-C値(中央値未満 vs 以上),TC/HDL-C比(中央値以上 vs 未満),LDL-C/HDL-C比(中央値以上 vs 未満)のAMI+突然死リスクを比較した。
  結果: LDL-C正常値群,高値群のいずれにおいても,LDL-C/HDL-C比が中央値以上の人のAMI+突然死の調整後ハザード比は,中央値未満の人にくらべて有意に高くなっていた。一方,LDL-C,HDL-C,TC/HDL-C比については,LDL-C正常値群,高値群のいずれにおいても,AMI+突然死のハザード比との有意な関連はみられなかった。
田中文隆氏 田中文隆氏のコメント
今回の結果でとくに重要と考えられるのは,LDL-C値が正常 (120 mg/dL未満)の患者さんでも,HDL-C低値などによってLDL-C/HDL-C比が高値となる場合は,急性冠症候群または突然死の残存リスクが高まることが示唆される点です。今回は,中央値による分類を用いてこの脂質比のリスクの解析を行いましたが,最適なカットオフ値については今後の検討課題であると考えております。


[岩手県北地域コホート研究] 新しいCKDステージ分類と死因別死亡リスク,心血管死リスクとの関係

発表者: 岩手医科大学・大澤 正樹 氏 (3月17日,一般口述)
  目的: アルブミン尿の有無別に,慢性腎臓病(CKD)各ステージの死因別死亡リスクと心血管疾患罹患リスクを検討。
  コホート・手法: 岩手県北地域コホート研究の40~69歳の16759人を2002~2004年から5年間追跡。推算糸球体濾過量(eGFRCKDEPI[mL/min/1.73 m2])(45~59/60~74/75~89/90~120)とアルブミン尿(尿中アルブミン/クレアチニン比≧30mg/g)の有無で8カテゴリーに対象者を分類し,全死亡,心血管疾患死亡,癌死亡,および心血管疾患罹患(急性心筋梗塞+脳卒中)リスクをポアソン回帰分析で比較した。
  結果: [全死亡]全死亡とCKDステージとのあいだにU字の関係性をみとめた。アルブミン尿あり群では,対照(eGFR 60~74・アルブミン尿なし)に比してeGFR 90以上で4倍近いリスク比上昇が観察された。[心血管疾患死亡]アルブミン尿なし群では,eGFRと死亡リスクとのあいだに負の線形関係がみられた。アルブミン尿あり群ではU字型の関係性がみられ,eGFR 90以上で7倍以上のリスク比上昇がみられた。[癌死亡]明らかな関係性はみられず。[心血管疾患発症]アルブミン尿の有無を問わず,eGFRが低いほどリスク比が増加する線形の関係がみられた。U字の関係性について,eGFRの過大評価が結果に影響したことを示唆する所見はみとめられなかった。
大澤正樹氏 大澤正樹氏のコメント
eGFRは血清クレアチニン値をもとに推算します。したがって,骨格筋量の少ない人(癌などの慢性疾患患者や栄養不良者)では血清クレアチニン値が低いことでeGFRが高値となりやすく,このためにeGFR高値群で死亡リスクが高くなる可能性が指摘されていますが,本研究では,死亡リスクの高かったeGFR高値群でBMIが低い人が多いわけではなかったことから,体格以外の理由についても考慮する必要性があると考えられます。eGFRが高くアルブミン尿をもつ人は,BMI高値,HbA1c高値,血圧高値を同時に有する年齢の若い人が多く,このグループは,古典的な危険因子を複数有する高リスク集団である可能性があります。今後,日本人を対象として骨格筋の影響を受けないシスタチンCを用いた研究や,GFR実測値との精度比較研究などの研究成果が期待されます。


[岩手県北地域コホート研究]BNP高値と心血管イベントとの関連は,既知の危険因子よりも強い

発表者: 岩手医科大学・佐藤 権裕 氏 (3月17日,ポスター)
  目的: 血中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値と心血管イベント発生リスクとの関連を,既知の危険因子と比較。
  コホート・手法: 岩手県北地域コホート研究の40~89歳の14241人を2002~2006年から平均5.8年間追跡。血中BNP値については,過去の検討pubmedに基づいて男性40 pg/mL以上,女性60 pg/mL以上を高値とした。
  結果: 血中BNP高値の人における心血管イベント(心筋梗塞,脳卒中,心不全のいずれかの初回発症または突然死)発生のハザード比は,年齢,性別,高脂血症,肥満,糖尿病,喫煙,高血圧で調整後も非高値の人に比して有意に高くなっており,さらにこれら既知の危険因子よりも心血管イベントとの関連が強いことが示された。
佐藤権裕氏 佐藤権裕氏のコメント
BNP高値が,心血管イベント発症リスクのよい指標となることが示されました。今後の課題として,BNP高値例でどのような介入を行っていくべきかという点が重要と考えます。


[岩手県北地域コホート研究] non-HDL-Cと虚血性心疾患リスクとの関連は,直接測定LDL-Cと同等

発表者: 岩手医科大学・蒔田 真司 氏 (3月17日,ポスター)
  目的: Friedewald法によるLDL-C(F-LDL-C),直接測定法によるLDL-C(D-LDL-C),non-HDL-Cと虚血性心疾患発症リスクとの関連を比較。
  コホート・手法: 岩手県北地域コホート研究の40~79歳の男性7571人を平均5.5年間追跡。
  結果: 各指標の値がもっとも高い四分位における虚血性心疾患(心筋梗塞+急性心臓死)発症のハザード比を比較すると,non-HDL-CとD-LDL-Cについては,いずれももっとも低い四分位に対して約2.5倍と同等の有意なハザード比増加がみとめられたが,F-LDL-Cでは有意差はみられなかった。この結果から,虚血性心疾患のリスク予測には,D-LDL-Cと同等の予測能をもち,測定のコストや方法論の面で優れるnon-HDL-Cを用いることが望ましいと考えられた。
蒔田真司氏 蒔田真司氏のコメント
Friedewaldの計算式によるLDL-C値にくらべ,直接測定法によるLDL-C値は虚血性心疾患発症リスク予測能に優れていましたが,後者は測定法の標準化がなされていないため,基準値の設定が困難な現状にあります。空腹時採血であるかどうかやトリグリセリド高値の有無にかかわらず,non-HDL-C値を併せて評価することにより,精度の高い虚血性心疾患の一次予防が可能になると考えられます。


[NIPPON DATA] 1980~2010年代の危険因子や食事・栄養因子と循環器疾患死亡リスク,および今後の展望

発表者: 滋賀医科大学・三浦 克之 氏 (3月16日,Late Breaking Cohort Studies 3)
  目的: 日本全国の300地区から無作為に抽出され,国民を代表すると考えられる集団を長期に追跡する現在も進行中のコホート研究により,心電図所見や食事・栄養因子をはじめとした種々の危険因子と循環器疾患死亡リスクとの関連を検討。
  コホート・手法: NIPPON DATA80,90,2010。食生活や栄養素摂取と循環器疾患発症リスクとの関連を検討するため,NIPPON DATA80および90では,ベースライン健診となる1980年および1990年の循環器疾患基礎調査データと,同時に実施された国民栄養調査データの個人単位での結合を実施。また,循環器疾患基礎調査の後継調査として実施された「循環器病の予防に関する調査(NIPPON DATA2010)」でも,同時に実施された国民健康・栄養調査のデータを用いて解析を行っている。 (NIPPON DATAへ
  結果: これまでに報告した中年期の血圧と循環器疾患死亡リスクpubmed,心電図上の時計回転および反時計回転と循環器疾患死亡(抄録へ),心電図上J点上昇と循環器疾患死亡pubmedなどの知見に加え,今後,HbA1c値と全死亡および循環器死亡,ナトリウムおよびカリウム摂取量と循環器疾患死亡,イコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)摂取量と循環器疾患死亡,魚介類由来のn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量+心電図上のJ点上昇と心疾患死亡,高血圧に対する肥満の寄与割合の長期的な変化などについて検討し,順次発表の予定である。
三浦克之氏 三浦克之氏のコメント
NIPPON DATA80/90/2010の3つのコホートからの最新の知見を報告しました。国民代表集団のコホートからのエビデンスとして,今後も情報発信してゆきたいと思います。これまでの知見については,滋賀医科大学公衆衛生学部門のNIPPON DATA80,90のホームページや,NIPPON DATA2010のホームページも参照いただければ幸いです。


[NIPPON DATA80] 長鎖n-3不飽和脂肪酸の高摂取により,心拍数上昇に関連した循環器死亡リスクは減弱する

発表者: 滋賀医科大学・久松 隆史 氏 (3月17日,ポスター)
  目的: 長鎖n-3不飽和脂肪酸は循環器疾患に対する保護的作用を有している。本研究の目的は,長鎖n-3不飽和脂肪酸の高摂取により心拍数上昇に関連した循環器疾患死亡リスクが減弱するかどうか評価することである。
  コホート・手法: NIPPON DATA80。循環器疾患既往がなく,降圧剤を服用していない8807人(女性55.7%,平均年齢48.3歳)の一般住民を対象とし,24年の前向き追跡コホート研究を行った。長鎖n-3不飽和脂肪酸摂取量は3日間の秤量法より算出した。心拍数は心電図上の連続した3心拍のR波間隔より算出した。 (NIPPON DATAへ
  結果: 長鎖n-3不飽和脂肪酸摂取量と心拍数の循環器疾患死亡リスクに対する交互作用は統計学的に有意であった(交絡因子を調整後)。循環器疾患死亡について,長鎖n-3不飽和脂肪酸の中央値以上の高摂取かつ低心拍数群と比較して,中央値未満の低摂取かつ高心拍数群において有意なリスク上昇をみとめたが,高摂取かつ高心拍数群においては有意な上昇をみとめなかった。脳卒中死亡についても同様の結果が得られたが,心疾患死亡ではみとめなかった。
久松隆史氏 久松隆史氏のコメント
最近,長鎖n-3不飽和脂肪酸のサプリメントによる介入研究からネガティブなデータがいくつか報告されていますが,これらは長くても6.2年の追跡期間であり,より長期にわたる影響を介入研究で明らかにするのは困難です。今回,長鎖n-3不飽和脂肪酸の高摂取により心拍数上昇に伴う循環器疾患死亡リスクの減弱の可能性を報告しましたが,欧米と比較して長鎖n-3不飽和脂肪酸摂取量が著しく高い日本人コホートにおいて,24年と長期にわたる観察を行った研究の結果は重要と考えられます。


[SESSA] non-HDL-Cは冠動脈石灰化との関連が強い

発表者: 滋賀医科大学・久松 隆史 氏 (3月16日,ポスター)
  目的: 古典的血清脂質の各指標(総コレステロール[TC],LDL-C,トリグリセリド[TG],HLD-C,non-HDL-C,TC/HDL-C比,およびLDL-C/HDL-C比)と潜在性動脈硬化症を反映する冠動脈石灰化の有病率との関連を検討した。
  コホート・手法: 滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)。滋賀県草津市住民より無作為に抽出された40~79歳の男性849人(横断研究)。CTスキャンによるAgatstonスコア≧10を「冠動脈石灰化あり」とした。
  結果: 各指標の値がもっとも低い四分位と比較して,もっとも高い四分位における「冠動脈石灰化あり」に対するオッズ比は,TG<HDL-C<LDL-C/HDL-C比<TC*<TC/HDL-C比*<LDL-C*<non-HDL-C*の順で高値であった(*有意な関連あり)。
久松隆史氏 久松隆史氏のコメント
『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』では,脂質管理目標にLDL-Cが用いられていますが,LDL-C算出のためのFriedewald式が使用できない食後採血の場合や,トリグリセリド高値の人に対しては,non-HDL-Cの使用が推奨されています。一般住民男性におけるnon-HDL-Cが冠動脈石灰化の進展予測にもっとも有用であったという今回の結果は,non-HDL-Cの有用性を裏付けるデータであると考えられます。このような血清脂質の各指標と冠動脈石灰化との関連については,欧米ではいくつか報告がありますが,欧米とは循環器疾患の疾病構造の異なるアジア人では今回が初めての報告です。


[端野・壮瞥町研究] 動脈硬化性疾患予防ガイドラインによる高リスク者では頸動脈硬化が進展

発表者: 札幌医科大学・川向 美奈 氏 (3月16日,ポスター)
  目的: 『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』におけるリスク管理区分ごとに頸動脈エコー所見を比較。さらに低リスク群における頸動脈プラークの関連因子を検討した。
  コホート・手法: 壮瞥町で2010年に行われた健診に参加し,頸動脈エコー検査を受けた29~74歳の287人(断面解析)。 『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』の「LDL-C管理目標設定のためのフローチャート」に従って対象者をカテゴリーI(低リスク群),カテゴリーII(中リスク群),カテゴリーIII(高リスク群)に分け,左右の総頸動脈の内膜-中膜肥厚度(IMT)およびプラーク保有率を比較した。 (端野・壮瞥町研究へ
  結果: 左および右総頸動脈の最大IMT値,平均IMT値およびプラーク保有率は,いずれもリスクの高いカテゴリーほど有意に高くなっていた。低リスク群においても10%の人にプラークがみとめられたことから,多重ロジスティック解析を用いてプラーク保有に関連する因子を検討した結果,年齢および高血圧が有意な因子として見出された。
川向美奈氏のコメント
頸動脈エコーの所見は動脈硬化性疾患予防ガイドラインのリスク分類にほとんど比例していました。 今後も端野・壮瞥町研究を継続し,さらなる予後調査を行っていく予定です。




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